ヨルダン戦で2ゴール。なでしこ
岩渕真奈はもうスーパーサブじゃない

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 上野は遠慮からか、自分が活きるよりも、他者を活かすパスを優先させる傾向がある。その意識を岩渕は崩したかったのだ。こういう立場に立った岩渕自身の成長が、結果重視の短時間起用が多かった岩渕を自身代表初の90分間フル出場へと導いたのかもしれない。

 また、ボランチのコンビによる特色も顕著となった。前半に阪口と組んだ猶本は攻撃型。阪口が組み立てを担い、猶本は前線をサポートする。攻守において相手をいなしながら、揺さぶりをかけていた。

「前が詰まっている分、開いて絞ってとワイドの揺さぶりを意識していました」(猶本)

 あいにくバイタルエリアは密集地帯で、必ずしも猶本の試したい形は取れなかっただろう。それでも阪口との距離感は以前よりも掴みつつあることは確かだ。

 後半に阪口とペアを組んだ隅田凛(日テレ・ベレーザ)はチームメイトということもあり、あうんの呼吸がある。対戦相手によって多彩なボランチペアが組めることは、熟成されていけば大きな強みになるだろう。

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