スペインの戦術家がベルギー戦を高評価。「収穫は山口蛍と長澤和輝だ」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 ブラジル戦と同じくプレッシングを用いていたが、ベルギー戦ではブラジル戦と打って変わって集団としての調和が取れ、選手同士の距離感も均衡が保たれていた。相手のラインを締め上げながらパスミスを誘い、実際に何度かボールを奪えている。右に入った浅野拓磨は、カウンターから何度かチャンスを迎えたが、いずれもボールコントロールに乱れが出て、好機を逸した。

 一方、ベルギーも効果的なカウンターで日本の守備陣を脅かしている。序盤、山口蛍の不用意な横パスをカットすると、ゴール前まで鋭く迫った。ゴール前でロメロ・ルカクがGK川島永嗣と交錯するまで進出し、速攻の精度とパワーを見せつけている。その後も自陣で奪ったボールを、日本のプレスをかいくぐってケビン・デブライネが際どいシュートまで持ち込んだ。日本は川島が安定したセービングでこれを防いでいる」

 日本の戦いぶりについて好意的にそう語るエチャリだが、ある守備の対応について、厳しい指摘をした。

「日本は悪くない入り方をし、互角の戦いを見せていた。ただ、失点につながってもおかしくはない戦術的ミスを犯したシーンがあった。

 前半42分だ。

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