欧州遠征2戦を見た福田正博は、ハリルJのどこに一番不安を感じたか (3ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • 藤田真郷●撮影photo by Fujita Masato

 続くベルギー戦は、序盤から右FWの浅野拓磨のところで何回か攻めの形を作ることができた。これは、ベルギーがゆったりとゲームに入ったことや、日本がブラジル戦のように相手をリスペクトしすぎることなく、臆せずにプレッシャーをかけることができたことが影響しているだろう。

 アジア最終予選のホームでのオーストラリア戦もそうだったが、相手が3バックの場合はサイドにスペースが空くことがある。そこで浅野のスピードが生きることは、ハリルホジッチ監督も十分にわかっているはずだ。W杯本番で、ベルギー同様に3バックの相手と対戦する場合、浅野に出番が回ってくる可能性は高い。それに備え、浅野はクロスボールやトラップの精度、決定力などを高めていってもらいたい。

 私が今回の2試合でもっとも不安に感じたのは、W杯で強豪国と対戦した際に、「最後の20分」をどう戦うかが見えなかったことだ。

 フィジカルが強靭な格上の強豪国との試合では、相手が100%のパワーで押し込んできたときに、体格で劣る日本代表は120%のパワーで跳ね返さなければいけない。こうした体力の消耗が積み重なって、日本は90分間120%でプレーすることができず、70分以降の試合終盤で足が止まってしまう可能性が高い。

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