2017.11.18

あのイラン戦、同点弾の城彰二は
「脳震とう」で中盤をウロウロしていた

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

――かなり打点の高いヘディングシュートだったように記憶していますが。

「必死だったからでしょ(笑)。あと、ヒデからのボールは速くて、回転して巻いてくるボールなんだけど、その瞬間にGKが見えたんですよ。普通クロスが上がってくると、GKは同サイド(ニア)から逆に体が流れてくるものなんですけど、イランのGKはそのまま体が流れずに立っているのが見えた。で、『このまま(ボールを頭に)当ててコースを変えれば入るな』と思った。あの瞬間は、なぜかすごく冷静でしたね」

――2-2となって延長戦に突入。チームはどんなムードだったのでしょうか。

「勢いは、間違いなく日本にあった。『絶対に勝てるよ』って、みんなも言っていた。でも、スタメンの選手は暑さと湿度でかなり疲れていた。それは、相手も一緒で、特に最終ラインは相当へばっていた。それで、岡野(雅行)くんが投入されたんだけど、これで『いける!』って思った。この状況で、岡野くんが裏に抜けたら、ぶっちぎれると思いましたから。

 そこで、ヒデとは『俺がおとりになって下がるから、裏のスペースに蹴って岡野くんを走らせよう』という話をしていた。岡野くんにも『裏を狙えよ』って言ったら、いきなり決定的なチャンスを作った。GKと1対1になってね。でも、岡野くんはシュートを打たなかったんだよなぁ(笑)。びびっていたらしいけど、パスを出して相手にクリアされた」