あのイラン戦、同点弾の城彰二は「脳震とう」で中盤をウロウロしていた

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

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『ジョホールバルの歓喜』から20年。
激闘の舞台裏を今、改めて振り返る(3)
――城 彰二編

日本が初めてW杯出場を決めた『ジョホールバルの歓喜』。あれから20年のときが経過した今、イランとの壮絶な戦いの舞台裏では何が起こっていたのか、途中出場で起死回生の同点ゴールを決めた城彰二氏が語る――。
◆(2)山口素弘編はこちら>>


――フランスW杯アジア最終予選は、途中で加茂周監督が解任されるなど、厳しい戦いが続きました。それでも、岡田武史コーチが監督に就任し、何とかグループ2位となって、第3代表決定戦に進むことができました。

「岡田さんが監督になって、攻守ともにやるべきことが整理されて(チームは)いい方向に向かっていったんですけど、なかなか結果につながらなかった。そんなとき、岡田さんは『焦ることはない。1%でもW杯に行ける可能性があれば、それに賭けよう。ダメなら俺が責任を取るから』と話してくれた。そうやって岡田さんから、のびのびとやれる環境を俺たちは与えてもらった。それは、すごく大きかったですね」

――迎えたイランとの第3代表決定戦。中山雅史選手が先制ゴールを奪って、このままいける、という雰囲気はあったのでしょうか。

「いえ、このまますんなり終わるとは思っていなかった。(イランには)ダエイとアジジという強力なFWがいましたからね。実際、後半に入ってから、アジジに同点ゴールを決められて、チームのムードが悪くなった。そのまま相手の勢いに飲まれて、ダエイのゴールであっという間に逆転されてしまった」

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