お世辞か、本音か。ベルギー代表は「歯応えある相手」とハリルJを絶賛 (4ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 この日、唯一の得点をアシストしたナセル・シャドリはワイルドなピッチ上の風貌とは異なり、知性を感じさせる控えめな物腰の青年だった。この日は左WBに入りながら、時に内側からドリブル突破を仕掛けるなど、日本の守備陣に混乱をもたらした。

「日本は優れたチームだと僕は思う。誰もが俊敏で、連動も素晴らしかったし、組織的なディフェンスはなかなか崩すことができなかった。どの選手もそれぞれの役割を果たしていたと思う。予想を上回ったとは言わないよ。僕は厳しい試合になると思っていたからね。こういう風に別の大陸のチームと対戦するのは実に有意義だ。ロシアW杯に向けて、すごくいい準備になった」

 本大会でも優勝候補に挙げられる2チームとのテストマッチで、日本の選手が得たものは大きかったはずだ。結果は連敗でも、点差はそれほど離れていない。そして、リップサービスもあるかもしれないが、相手からリスペクトもされている。

 そこにはさまざまな見方や受け止め方があるだろう。でも、今は前を向くしかない。本大会を迎えるまでの限られた時間で、指揮官が言うように「すべての側面を高めて」いけるか。ロシアW杯で、ベルギー選手の言葉がお世辞ではなかったと証明してほしい。

◆「ベルギーと10回やっても一度も勝てない」との厳しい意見も>>

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