お世辞か、本音か。ベルギー代表は
「歯応えある相手」とハリルJを絶賛

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 実際に、そんな日本代表選手と戦ったベルギー代表選手たちはどう感じたのか。試合後、屋外に設置された、底冷えのする取材エリアで彼らを待った。

 最初に現れたのは、右CBを務めたクリスティアン・カバセレだった。プレミアリーグのワトフォードでプレーする26歳は、負傷中のレギュラーの代役を任され、キャリアで2キャップ目を刻んだ。前日の会見でロベルト・マルティネス監督は「カバセレの足元のボールさばきを見てみたい」と話していたが、2度目の代表戦の重圧からか、ちょっと自信なさそうにプレーしていた印象だ。そんな彼も、勝利を収めた試合後には冷静に質問に答えてくれた。

「日本のチームと選手にはポジティブな意味で驚かされたよ。選手は誰もが俊敏でテクニカルだ。彼らの動きには、僕らベルギー守備陣も悩まされた。まったく簡単なゲームではなかったよ。名前を挙げることはできないけど、チームとしてすごくまとまっていたと思う」

 続いてアクセル・ビツェルが足を止めた。今年1月から中国スーパーリーグの天津権健でプレーする28歳のセントラルMFは、「英語は完璧じゃないけど」と微笑みながら次のように話してくれた。

「まぎれもなく、歯ごたえのある相手だった。とてもいいチームだと思うよ。僕は中国でプレーしているからアジアのことが少しわかる。日本はアジアでナンバーワンのチームだと僕は捉えているよ。クイックでテクニカルな、クオリティーの高い選手が揃っている。だからこそ、僕らもあれほど手こずったんだ。今日は勝ててよかった」

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