加茂更迭から歓喜の瞬間まで。
山口素弘が語るW杯予選「特殊な2カ月」

  • 渡辺達也●取材・文 text by Watanabe Tatsuya
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「こちらが流れをつかんでいましたけど、最後のフィニッシュの部分ではパワーが落ちていましたからね。(交代については)思い切って代えたな、と思いましたけど、ふたり同時に代えてくれたほうが、プレーしている選手としてはわかりやすかった。『行け!』ってことなんだな、と」

――その結果、城彰二選手が同点ゴールを決めて、延長戦に突入しました。

「相手のカウンターには気をつけないといけないと思っていましたが、イランの選手は疲れていたし、日本の流れだったので、あとはどう仕留めるか、という状況でした」

――最終的には、延長戦から出場した岡野雅行選手がVゴールを決めてくれました。

「(ゴールが)決まった瞬間は、大喜びっていうより、ホッとしました。『やっと、終わったぁ』って感じで、『この生活からやっと解放されるな』って、ヒデ(中田英寿)や名波(浩)と握手したのは覚えています。そんななか、岡野はあんなに大騒ぎしやがって(笑)。こっちは体張って守って、ひとつでもミスすれば失点を食らってメチャクチャ叩かれるけど、前の選手はいくら外してもいいんだよね、最後に決めれば。そんなもんだよなって、改めて思いますね(笑)」

――改めて振り返ってみて、どんな予選でしたか。

「とにかく"特殊"な2カ月間でしたね。でも、あの予選を経験したことは、よかったと思っています。あれで成長した部分もあるし、いろいろな経験をさせてもらいましたから」

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