ハリルよ、あなたは限界だ。ベルギーと10回やっても1度も勝てない (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 ただ負けるだけではない。それに加えてつまらない。日本代表は、テレビの視聴者にリモコンのスイッチを変えられやすいサッカーに成り下がっている。

 そして、面白くなければ番狂わせは起こしにくい。好チームにはなれない。ハリルホジッチに欠けているのはこの視点だ。

 同情の余地があるとすれば、日本にいい選手が減っているという現実だ。いい若手が育っていない。右肩上がりにはない状態で、日本代表監督に迎えられたハリルホジッチ。その前提に立ったうえでどうするか。これが彼に与えられた命題だったはずだ。

 招聘したサッカー協会サイドは、そうした日本の苦しい実情を彼にどれほど伝えていたのだろうか。自分は逆風が吹く中で招かれた監督であることを、ハリルホジッチはどの程度、認識していたのだろうか。そもそも、ハリルホジッチは、番狂わせを起こすために必要な資質、適性を有する監督なのか。

 はなはだ怪しい。ベルギー戦。ハリルホジッチは5枚の交代カードを切った。そのうち、4-2-「3-1」の「3-1」(長澤和輝、浅野拓磨、大迫勇也、原口元気)を、森岡亮太、久保裕也、杉本健勇、乾貴士に、そのまま入れ替える方法(非戦術的交代)は、前戦ブラジル戦と全く同じだった。ベンチに下げる選手と異なるポジションの選手をピッチに投入し、ピッチ上の複数箇所に変化を生じさせる戦術的交代は、ブラジル戦同様、皆無だった。

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