ハリルJに「プランB」はあるのか。ベルギー戦は苦しい展開を見たい

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 果たしてそこに、プランBはあるのか――。

 1-3で敗れた11月10日のブラジル戦。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は盛り返した(ように見えた)後半の出来について、「かなり満足のいくものだった」「ボールポゼッションやパス回しのところで同等か、それ以上の戦いができた」と賞賛した。

ゲームプランが崩れたとき、ハリルホジッチはどう対応する?ゲームプランが崩れたとき、ハリルホジッチはどう対応する? たしかに開始早々に2点を先行されて及び腰になった前半とは打って変わって、後半は積極的なプレスを取り戻し、縦パスを狙う回数も増えた。コーナーキックから奪った槙野智章(浦和レッズ)のゴールだけでなく、オフサイドの判定が下された杉本健勇(セレッソ大阪)のヘッドや、クロスに浅野拓磨(シュツットガルト)があと一歩届かなかったシーンなど、惜しいチャンスを何度か作った。

 だがそれは、前半のうちに3点のリードを奪い、安全圏に入ったブラジルが無理をしてまで攻めてこなくなったからだろう。その点で、選手たちのほうが冷静だった。

「勘違いしてはいけないのは、相手が抜いたということ。過信することなく、自信を持ってベルギー戦に挑まなければいけないと思います」と吉田麻也(サウサンプトン)が自身に言い聞かせるようにきっぱりと言えば、日本の現在地を問われた長友佑都(インテル)も「彼らが100%ではなかったので、正直なんとも言えないです」と答えた。

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