あの歓喜から20年。岡野雅行が白状する、劇的ゴールが生まれた真相

  • 井川洋一●取材・構成 text by Yoichi Igawa
  • 梁川 剛●撮影 photo by Yanagawa Go

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『ジョホールバルの歓喜』から20年。
激闘の舞台裏を今、改めて振り返る(1)
――岡野雅行編(前編)

日本が初のW杯出場を決めた『ジョホールバルの歓喜』から、ちょうど20年。当時の日本代表メンバーで、イランとの第3代表決定戦(1997年11月16日)にも出場した"キーマン"たちに今回、改めて激闘の舞台裏について語ってもらった。第1回目は、劇的なVゴールを決めた岡野雅行氏。壮絶な戦いの場で何が起こっていたのか、その舞台を味わった彼は「地獄だった」という――。

20年前のW杯予選アジア第3代表決定戦。途中出場の岡野は再三決定機を作ったが...20年前のW杯予選アジア第3代表決定戦。途中出場の岡野は再三決定機を作ったが...――この時期は4年ごとに、取材が増えてお忙しくなるという話を聞きました。早速ですが、その発端となる『ジョホールバルの歓喜』の舞台となった第3代表決定戦について聞かせてください。相手のイランについて、岡野さんはどう見ていましたか。

「すでにヨーロッパでプレーしている選手が何人かいて、特に前線には(アリ・)ダエイ、(コダダド・)アジジ、(メフディ・)マハダビキアと、強力なタレントがいました。嫌な相手だと思っていました」

――試合は一進一退の攻防が続きました。岡野さんはベンチスタートでしたが、どんな気持ちでピッチを見つめていましたか。

「ほんとに選手は極限状態にあって、胃薬を飲んでいる人もたくさんいた。でも、僕だけはずっと元気だったんです」

――それは、どうしてですか。

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