相手が強いと「面白いことをする」ハリル。ブラジルに何を仕掛けるか (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 前からのプレス、リトリートからの速攻、多目的のポゼッションという3つを使い分けたブラジルはまさに試合巧者だった。それは、相手に合わせて戦術を変えられるようになった今、90分のなかでも臨機応変に戦いたいハリルジャパンにとって、お手本となる試合運びだった。

 ちなみに、「期待を裏切らない」という点で、ベルギーは怪しい(11月14日にブルージュで対戦)。日本はベルギーと過去4度戦っていて、2勝2分と一度も負けていないのだ。1999年(0-0)と2009年(4-0)の親善試合、2002年の日韓ワールドカップ(2-2)は日本国内での試合だったからまだしも、ベルギーのホームだった2013年11月の試合でも日本が3-2と勝利した。

 それは「自分たちのサッカー」がハマッたときのザックジャパンの強さを証明するものだったが、ベルギーが「自分たちのサッカー」をやらせてくれたということでもあった。この勝利は、世界との距離を測り損なう一因になった。

 話を戻すと、11月10日に行なわれるブラジル戦も、最高の試金石になるはずだ。

「ブラジル史上最高の監督」と評価されるチッチ監督のもと、南米予選を4節残して突破した現チームには、多種多彩なタレントが揃う。左ウイングは言わずと知れたエースのネイマール(パリ・サンジェルマン)。右ウイングには快速ドリブラーのウィリアン(チェルシー)、センターフォワードは日本のヴァイッド・ハリルホジッチ監督が「世界で一番うまいアタッカー」と警戒するガブリエル・ジェズス(マンチェスター・シティ)が務めるだろう。

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