乾貴士、ブラジル戦の標的は「バルサ時代にやられたダニ・アウベス」 (3ページ目)

photo by Yamamoto Raitaphoto by Yamamoto Raita また、エイバルに入団する前は、試合に出られないときに不満が募ることもあったといいますが、今は「まったくない」と言い切ります。「全員の選手をきちんと見てくれている」というメンディリバル監督への信頼もあり、メンバーから外れても腐らずに練習を続けてレギュラーに定着していきました。

 その経験は、日本代表にもつながります。乾選手は、フランクフルトに在籍していた2015年に行なわれたアジアカップ以降、代表に招集されない期間が長くありました。その時期を乾選手は「すごく悔しかった」と振り返っていましたが、エイバルに移籍してからは焦りが消えたそうです。「スペインで結果を残していけば、また代表に呼ばれる──」。その確信が、乾選手から迷いを消したのです。

 そして、今年6月のキリンチャレンジカップ(シリア戦)で2年ぶりに代表復帰。試合途中でピッチに入ると、他の選手にはない"違い"を見せたいと考えていた乾選手は、攻撃のリズムを変えるプレーを見せてくれました。ハリルジャパンのサッカーについて「縦に速いけど、それ一辺倒になっている」と考えていたため、もっと落ち着かせることを意識していたそうです。

 ロシアW杯出場を決めたアジア最終予選のオーストラリア戦にも先発で出場。試合開始から後半31分に交代するまで全力でボールを追う姿が印象的でした。試合後「(原口)元気が控えにいたから(自分は)走り切ろうと思っていた」と笑顔で語った乾選手。4年前、ブラジルW杯行きを決める試合で、代表に呼ばれながら出場できなかった悔しさもあって、「とにかく勝つ」という強い気持ちがあったのだと思います。

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