2017.11.01

あらためて、ハリルJは限界。
欧州遠征は見切りをつけるラストチャンス

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 記者の質問に監督が答える。それが記者会見の常識的なスタイルだ。記者と監督がまさにコミュニケーションを図る場でもあるが、就任から2年9カ月が経過しても、会見における両者は円滑な関係にない。対話ができておらず、ハリルホジッチの一方的な姿勢ばかりが目立つ。気がつけば、記者会見は彼の独演会と化しているのだ。

 記者の質問に、的確な答えが返ってくることはまれだ。質問に対する答えは最初の一言二言で終わり、あとの大半は関係のない話を延々と展開する。ひとりの記者が質問を2つした場合など、話に夢中になるあまり、2つ目の質問に答えることを忘れてしまうこともしばしばある。

 この日の会見も例外ではない。香川落選の理由を尋ねた質問にも、それについて返した言葉はごくわずか。その後は質問の趣旨から大きく外れた話を数分間にわたり喋り続けた。質疑応答の時間は併せて30分以上あったが、質問できた記者は5人だけ。通訳の日本語訳が終わらないうちから、大きな声で興奮気味にフランス語をまくし立てた。

 記者はただ、それを聞かされるばかり。司会に立つ協会の広報が、監督に「的確に答えてください」と注意を促すこともない。そう言えるようなムードがなく、協会内部の実態が垣間見える瞬間でもある。ハリルホジッチに何か意見できそうな人は見当たらず、手を焼いている状態ではないかと推察される。