あらためて、ハリルJは限界。
欧州遠征は見切りをつけるラストチャンス

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 そこで迎えたブラジル戦、ベルギー戦には、4年間の集大成と言うべき最強の布陣で臨むのが、あるべき姿ではないか。にもかかわらず、中心選手がいきなり落選するなどバタつきを見せているハリルジャパン。スタメンはいまなお五里霧中の状態だ。

 ニュージーランド戦、ハイチ戦では、香川の代役として小林祐が使われた。しかしハリルホジッチは今回、香川に加え、その代役候補まで落選させた。これは監督自ら選手の選択眼を否定したことになる。2人に代わって選出されたのは、森岡亮太と長澤和輝。森岡はアギーレ前監督時代に代表で2試合プレーした経験があるが、長澤の代表メンバー入りはこれが初。強化の仕上げ段階を迎えるこの局面で、香川の後任候補として国際試合の経験に乏しい2人をテストせざるを得ない状況こそ、混乱を象徴する事象と言える。

 ハリルホジッチが長澤を見始めたのは4、5試合前からだという。森岡についても、自分の目で見て確信を掴んだという様子ではなかった。選出理由を説明する言葉に、歯切れの悪さを感じた。

 大丈夫か、この監督で。今になって初めて抱く不安ではないが、会見を聞きながら、その思いはあらためて膨らむのだった。記者会見の場に居合わせただけで、危うさは見て取れる。限界を覚える。

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