2017.10.27

なぜ五輪代表に森保一監督なのか。
技術委員長はコンセプトを語るべき

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by AFLO

就任してビックリとはこのことである。従来の路線に否定的な言葉を連発するハリルホジッチを見ていると、原・霜田コンビの姿が頭をよぎる。懐疑的な目を向けるべきは、ハリルホジッチではなく彼ら2人。招いた側だ。ちゃんと調べた末に選んだ監督なのか、と。しかし、このコンビはいま、代表の仕事から外れている。任命責任者不在のまま、監督ハリルホジッチがひとりで先に進む状態を、現技術委員長の西野朗氏はどう見ているのか。

 そもそも、西野技術委員長の志向するサッカーとはなんなのか。どのような方向性なのか。原・霜田コンビは攻撃的サッカーという"色"に関してはハッキリしていた。そうしたひとつのコンセプトに基づいて招聘された初の代表監督がザッケローニだった。日本代表史に刻まれるべき画期的な出来事と言っていい。

 西野氏はどうなのか。技術委員長に就任して約1年半が経過したが、原氏が示したようなコンセプトは提示されていない。従来と同じ路線だとすれば、ハリルホジッチの言葉との間に齟齬(そご)が生じる。

 2020年の五輪代表監督探しは西野氏が初めて行なう大きな招聘作業である。リーダーシップの発揮しどころだった。技術委員長としての路線を打ち出さすべきタイミングであると同時に、ハリルホジッチ就任で不透明になった路線を、鮮明にするチャンスでもあった。