スペインの名指導者から苦言。「日本のダブルボランチは動きすぎだ」 (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 エチャリは交代で出た2人の選手を評価し、ロシアW杯に向けた強化試合を総括している。

「小林はボールを動かすことでチームの攻撃をスムーズにしていた。また、乾は左サイドに深みを作った。事実、88分の日本の得点は乾が左サイドを崩し、ファーポストに上げたクロスを酒井がヘディングで折り返し、二列目から飛び込んだ倉田秋が詰めたものだ。

 ニュージーランドのように守りを固めた相手と戦うのは簡単ではないが、W杯本大会ではそうした時間帯が巡ってくる(ブラジルW杯のギリシャ戦の後半のように)。その意味では、得点を取って勝ったことは収穫だろう。得点シーンは左サイドをえぐり、逆サイドまで酒井が上がって、"外から揺さぶって攻めた"理想形だった。
 
 しかし、繰り返すが、攻撃しているときに自分たちのスペースをもう少し把握しておくべきだ。ボランチは(自ら攻撃するよりも)サイドの選手を動かすことで、必ず打撃を与えられる。自分たちが動きすぎると、相手に隙を与えることになる。最悪、センターバック2人+ボランチ2人の4人がいれば相手の逆襲には対応できる。しかしセンターバックが孤立するようでは、相手にスピードに乗られ、なす術(すべ)はない」

 エチャリが指摘した守備の拙(つたな)さは、次のハイチ戦で浮き彫りになる。

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