スペインの名指導者から苦言。「日本のダブルボランチは動きすぎだ」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 後半、日本は相手エリア近くで酒井、大迫勇也、久保裕也が絡み、持ち上がった山口がシュートを放っている。これがエリア内のディフェンスの腕に当たりPKを獲得。50分、大迫がこれを落ち着いた様子で決めた。

 ところが59分、左サイドで井手口、長友という2人の選手が1人のアタッカーに翻弄されてしまう。易々とクロスを上げられ、相手FWにヘディングで叩き込まれた。このとき、酒井と吉田の間に入り込まれていた。

「守備の脆さは、リスクマネジメントの問題だろう。攻撃能力の高い選手はいるし、意識の高さは感じる。しかし8人の選手が攻めに転じ、センターバックが孤立している場面があった」

 エチャリはそう言って、ひとつの提言をしている。

「ハリルホジッチ監督は杉本健勇、小林祐希を投入。さらに左サイドに乾貴士を入れ、優勢を取り戻している。乾が左サイドでボールを持ち、長友が攻撃に加わるようになって、一方的にニュージーランドを押し込んだ。

 しかしあえて言えば、まだサイドからの攻撃の厚みが足りない。敵は5-4-1のような布陣に切り替え、人海戦術で中央を固めていただけに、中よりもサイドを深く切り崩せるように、サイドバックを上げるべきだろう。その代わり、ボランチ2人はカウンターに備えるポジションを取るべきだ」

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