袋叩きのハリルJをハイチ代表は絶賛。
「コスタリカにも勝つと思う」

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 最後に、大阪生まれボストン育ちのセントラルMF、ザカリー・エリボーも立ち止まって取材に応じてくれた。「日本語も話せるけど、英語が一番」ということで大阪弁は聞けなかったが、無意識に少し気だるい口ぶりはアメリカの若者らしいものだった。

「すごく楽しかったよ。生まれ故郷の日本で代表の試合ができるなんて、最高の経験だね。日本代表にはずっと憧れていたんだ。実際にプレーしてみて、パスのスピードや精度に驚いたよ。選手は誰もがキレのある動きをしていたしね。このようなチームには、集中が切れると簡単にやられてしまう。最後の同点ゴールはまさにその好例だ。想像していた通り、レベルの高いチームだったよ。香川と浅野(拓磨)が特に印象に残っている。彼らのような選手が同じチームにいれば、中盤はパスを出すのが楽しいだろうな」

 彼のバックグラウンドについて訊くと、こう答えてくれた。

「大阪の吹田市で生まれて、3歳の頃にボストンに引っ越したんだ。(MLSの)
ニューイングランド(・レボリューション)のアカデミーに入り、今はそこのファーストチームでプレーしている。

 お父さんがハイチ人だから、代表の誘いを受けることにしたんだけど、ハイチには一度も住んだことがないんだ。だからフランス語はほとんどダメ。でも、日本人のお母さんとはよく日本語で話してきたよ。オフには日本に帰ってきたりもするんだけど、いつも本当に楽しみにしているんだ。日本が大好きだからね。こうしてサッカーの試合で戻ってくるのは初めてだったから、今回の帰国
はまた特別なものになったよ」

 日本が本大会で北中米カリブ海のチームと対戦する可能性もある。その際には、この試合を『いい予習だった』と振り返ることができるような戦いを見せてほしい。

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