ぼう然のNZ戦...。日本代表は「何にもない」チームになってしまった (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 益田佑一●撮影 photo by Masuda Yuichi

「何でもできる」は、裏を返せば「これと言ってできることがない」。ともすれば「何もできない」に近い。

 この試合を振り返っても、序盤は守備を固めて試合に入りながらも、日本の攻撃が恐るるに足らずと見るや、前線にどんどんボールを入れて攻勢を強めるといったように、試合の流れを見極め、より能動的にゲームをコントロールしていたのはニュージーランドのほうだった。だからこそ、ニュージーランド代表のアンソニー・ハドソン監督は、勝てたはずの試合を「ものすごくがっかりしている」と振り返ったのである。

 思うように試合が進められないときにどうするか。その適応能力が求められる場面は、事前にどれだけ入念な分析をし、準備をしようとも起こりうる。結局のところ、今の日本代表は本当の意味での適応能力が身についていないばかりか、苦しいときに立ち返る拠りどころさえも失ってしまったように見える。

 日本代表は何もないチームになってしまった。

 今に始まったことではないとはいえ、改めてそんな思いばかりを強くしたニュージーランド戦だった。

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