NZ戦のイマイチな香川真司に見る、「迷路にはまり込んだ」ハリルJ (5ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 香川の話に戻れば、ならば、シュートぐらいはビシッと決めてくれなくては存在意義がなくなる。中盤としてもFWとしても物足りない1トップ下。さらに加えるならば、サイドでプレーができないポジション的な弱みも抱えている。

 香川には頑張ってもらわなければマズいのだが、限界が見えてきている。その下で構える2人にも信頼は寄せられない。ゲームをコントロールする能力が、いまの日本代表には決定的に欠けている。

 なにより監督が、ゲームをコントロールするサッカーを追究してこなかった。この試合で日本のボール支配率は61%対39%を示したが、率が高い割に試合は暴れていた。パニックに陥るシーンがあった。縦への速さを追究するのはいいが、その分、抑揚の効いたプレーがなくなった。見映えも悪くなり、奥ゆかしさも失われた。それに中心選手不在が加わる。

 日本は迷路にはまり込んでしまったという印象だ。予選は突破したけれど。

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