ハリルもわかっているはず。川崎F・大島僚太の代表復帰は必然である (3ページ目)

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 こうした取り組みが実を結び、大島の明確な武器になったのは、昨シーズンあたりだろうか。鬼木達新監督を迎えた今シーズンは、もはやプレーメーカーの枠にとどまらない、総合力の極めて高いセントラルミッドフィールダーとして中盤に君臨している。

 そこで、ハリルジャパンである。「デュエル(球際での強さ)」や「ボール奪取」が重視されるハリルジャパンでは今、プレーメーカータイプより、井手口や山口のような猟犬タイプのMFが重用されているが、ボールを動かす能力が不要なのかと言えば、そんなことはないだろう。

「プレーメーカータイプ」か「猟犬タイプ」か、ではなく、理想は「どちらも」。ワールドスタンダードで言えば、アンドレス・イニエスタ(バルセロナ/スペイン代表)も、ルカ・モドリッチ(レアル・マドリード/クロアチア代表)も、アルトゥール・ビダル(バイエルン/チリ代表)も、ラジャ・ナインゴラン(ローマ/ベルギー代表)も、ボールを自在に扱いながら、ボールを回収する能力にも長けている。

 大島もまた、「どちらも」備えたユニバーサルなミッドフィールダーに成長を遂げた。

 スタメンに抜擢された昨年9月のロシアW杯アジア最終予選のUAE戦以来、ここまで出場機会はなく、昨年の10月シリーズを最後に約1年間、日本代表からも遠ざかっている。

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