小野伸二を超える衝撃。鹿島の「和製クライフ」安部裕葵は代表でイケる (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 5月から6月にかけて韓国で開催されたU−20W杯。内山篤監督率いるU-20日本代表チームに、その名前は存在しなかった。名前を見つけたのは、その時期に並行して開催されたトゥーロン国際に臨んだU−19日本代表のほうだった。U−20W杯に挑んだチームを1軍とするなら、影山雅永監督率いるこちらはいわば2軍だ。

 そして、1軍と2軍を精査し束ねたチームは7月、カンボジアで開催された2018年U−23アジア選手権予選に臨んだ。このチームを土台にして東京五輪に向かうそうだが、そこに安部の名前はなかった。

 一方、同じ7月、スペインの強豪セビージャと親善試合を行なった鹿島。0-0で迎えた後半17分、安部が登場した。そしてその10分後、観衆を魅了するビッグプレーを披露する。

 右サイドでボールを受けるや、セビージャの名手MFスティーヴン・エンゾンジを深々とした切り返しで一瞬にしてかわすと、その足で前進。DFクレマン・ラングレのスライディングタックルをかわし、前進を阻止しようと最後尾で構えるDFセバスティアン・コルシアが迫ると、今度はいわゆるダブルタッチでこれまたきれいにかわす。最後は、ゴール前に走り込んできたFW鈴木優磨にソフトタッチのラストパスを配球。鹿島の先制ゴールをアシストした。

 この日、両軍選手が魅せたアクションの中で、断トツ一番のビッグプレー。試合後、マン・オブ・ザ・マッチに選ばれたのは当然の結果だった。

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