長友佑都が語る、ザックJとハリルJ。
完成度が高いのはどっちだ

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 益田佑一●撮影 photo by Masuda Yuichi

「う~ん、まあ(試合ごとに)メンバーがたくさん代わりましたからね。(予選の)1試合、1試合で選手が違うし、今回(のオーストラリア戦)も代わった。だから、チームの連係面での完成度は前回のチームのほうが高かったと思います。

 ただ、今日の試合もそうでしたけど、とにかく『戦おう』という気持ちは、ピッチにいて前回よりも感じられた。それに、メンバーが毎試合代わったり、今日の試合のように若い選手が結果を出したりして、みんなが『(自分も)もっとやらなければいけない』と思っている。そうした相乗効果によって、チーム全体のレベルは上がっていると思います」

 オーストラリア戦では、ザッケローニ監督時代からつい最近まで、一緒に代表の主軸を務めてきた本田と香川はベンチに座っていた。長友から見れば、違和感を覚えるような光景だったと思うが、どういう心境だったのだろうか。

「もちろん、圭佑と真司がいれば、チーム全体の落ち着きも変わっていただろうし、その彼らがいないっていうのはね......。でもその分、僕や長谷部(誠)さんら経験がある選手が声を出して、(チームを)まとめていかなければいけないという気持ちが強かった。ですから、今まで以上に声を出していました」

 本田や香川がいない中、長友はよく声を出してチームを引っ張っていた。浅野拓磨の先制ゴールをアシストしたあとには、ゴール裏に行って両手を振り上げ、ファンやサポーターを盛り上げた。「アドレナリンがめちゃくちゃ出ていたんで、気づいたら観客を煽(あお)っていた(笑)」というが、そうやって長友が先頭に立ってチームを盛り立てることに意味がある。

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