2017.09.04

あの岡野雅行が明かす「秘密兵器として
W杯最終予選でプレーする重圧」

photo by Yamamoto Raita 観客からは「岡野―!」という怒号。チームメイトからは「なんで(シュートを)打たないんだ!」という叱責。唯一、味方だと思っていた岡田監督を見ると、「殺意すら感じられるような怖ろしい表情をしていました(笑)」と、岡野さんは20年が経過した今だから笑顔で語ってはくれましたが、そのときは、まさに針のむしろだったと思います。

 そして、そんな状況で、岡野さんは2回目、3回目のチャンスも外してしまいます……。その時、岡野さんが思ったことは、「自分の人生は終わった」「これでは日本に帰れない。このままマレーシア国籍を取って、ここでバイト生活を送ろうか」という考え──。

「映画『フォレストガンプ』の主人公のように、ドリブルをしながら会場から走り去ってしまおうか……といったことまで頭に浮かんだ」という岡野さんでしたが、ついに延長後半13分、日本の勝利を決定するあの歴史的なゴールデンゴールを決めたのでした。その瞬間、岡野さんの胸に去来した思いは、W杯の出場権を獲得した喜びより、「これで日本に帰ることができるというホッとした気持ち、プレッシャーから解放された安堵感のほうが大きかった」といいます。