2017.09.04

あの岡野雅行が明かす「秘密兵器として
W杯最終予選でプレーする重圧」

photo by Yamamoto Raita 90分で決着がつかないときは延長戦に突入し、しかも当時の延長戦はゴールが決まった時点で勝敗が決まるゴールデンゴール方式のため、観客のザワつきと共に緊張感が増していくのを岡野さんはひしひしと感じたそうです。

「俺はこの試合には関わっちゃいけないんじゃないか……」

 急に弱気になった岡野さんは、アップを中断。岡田監督の視界に入らないようにベンチの端に座り、「ドクターのふりをしていました(笑)」と冗談交じりにそのときのことを振り返ってくれました。

 しかし、その願いとは裏腹に、延長前半の頭から岡野さんはピッチに立ちます。さらに、秘密兵器として期待を一身に背負うことになった岡野さんにとって、待ち焦がれていたW杯最終予選のピッチは”試練の場”と化します。

最初の決定機が訪れたのは延長前半13分。カウンターからフリーになった岡野さんは相手GKと1対1。岡野さんの周りがスローモーションになり、さまざまな考えが頭の中を駆け巡ったそうです。

「すごいチャンスだな」「こんなにすぐチャンスが巡ってくるのはすごいな」「これを決めたらヒーローだな」

 その瞬間、GKと対峙する岡野さんの視界に、ゴール前に上がってきた中田英寿さんが入ってきました。そこで、何と岡野さんはシュートではなくパスを選択。結果、イランDFにカットされてしまいます。