賞賛ムード、続投決定の今だからこそ、ハリルでいいかを真剣に考える (5ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 これでは、彼ら年代別代表の選手がどんなに世界大会で成果を残しても、A代表には直結しない。今回のオーストラリア戦を見ても、中盤には山口蛍、井手口陽介、長谷部といった、ボール奪取に優れ、前方への推進力を生み出すタイプが並ぶ一方で、大島僚太、柏木陽介ら、技術に優れ、ボールを動かすことに長けたタイプは、日本代表から縁遠くなっている。

 もし、ポゼッションでは世界に通用しないと本気で考えるならば、年代別代表の段階から、もっとハリルホジッチ監督が求めるような要素を最優先に選手選考やチーム作りをすべきだし、A代表に準じたサッカーを志向すべきなのではないのか。

 はたして志向するサッカーを改めるべきなのは、年代別代表なのか、A代表なのか。やはりハリルホジッチ監督が日本代表を率いることには、ミスマッチの印象は拭えない。

 ひょっとすると、ポゼッションにこだわるよりも、ハリルホジッチ監督のやり方のほうが目先の結果(ロシアW杯での結果)は期待できるのかもしれない。ブラジルW杯よりも、南アフリカW杯のほうが成績がよかったように。

 だが、将来的に高い目標を掲げ、その実現を第一に考えるなら、急がば回れ。目先の結果にこだわることは得策でなく、それは単なる方針のブレでしかない。

 W杯出場が決まったことで、当然、本大会もハリルホジッチ監督で、というムードが試合直後から漂い、どうやらそれで確定したようだ。

 しかし、本当にそれでいいのだろうか。

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