オーストラリア記者が分析。「今の日本代表はうまくいってないようだ」 (3ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao photo by Reuters/AFLO

 ウィリアム氏がキープレーヤーに挙げているムーイは、今季プレミアリーグに初昇格したハダースフィールドで背番号10を背負い、クリスタルパレスとの開幕戦では、左右の正確なキックで2得点を演出して勝利に貢献。第2節のニューカッスル戦でも、左サイドからのカットインから決勝ゴールを挙げるなど好調だ。

 中盤にタレントが多いことで、オーストラリアは今年の3月以降、3-4-3とも3-6-1(3-4-2-1)とも取れる3バックを試している。

「強みは明らかに中盤にあり、最近はシステムも中盤に重点を置く形に変えている。特にこの1年から1年半の間に台頭してきたのがムーイと、セルティックで中心選手となったロギッチの2人だ。

 逆に弱点があるとすれば守備になる。コンフェデレーションズ杯は3バックで戦ったが、このシステム変更により、サイドにサイドバックではなくウィングバックを配したこともあり、相手にその裏を突かれることも少なくなかった。選手はまだそれに慣れている段階で、日本にそこを付け込まれるようだと苦しくなるかもしれない」

 たとえば右ウィングバックのマシュー・レッキーはドイツのヘルタ・ベルリンに所属し、ブンデスリーガのシュツットガルトとの開幕戦では2ゴールの活躍を見せたが、本来はFWの選手。攻撃力がある一方で、守備に慣れた選手ではない。

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