豪州戦を「ロンドン&リオ世代」で
勝たなければロシアW杯も勝てない

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 コンフェデレーションズカップの試合映像を見たという原口は警戒心を強めている。

「前にやったときよりもチーム力が上がっていると感じた。よりアグレッシブになっていたし、印象は全然違う」

 コンフェデレーションズカップを見るかぎり、オーストラリアが世界と渡り合えるだけのチーム力を備えているのは間違いない。

 だが、そうした強敵に勝つためのサッカーを、ハリルジャパンはこれまで磨いてきたはずだ。

 近年の日本代表は、まずは得意とするスタイル(=ショートパスをつないで崩す)を築き、それを磨くことが勝利への近道になるというチーム作りを進めてきた。だが、それが封じられるとめっぽう弱く、そもそもワールドカップの舞台では得意とするスタイル(=自分たちのサッカー)などやらせてもらえない。

 一方、ハリルジャパンはワールドカップで勝つために、対戦相手や戦況に応じた戦い方を磨いてきた。引いて守ってカウンターを繰り出した試合もあれば、ハイプレスを仕掛けて相手を飲み込んだゲームもある。対戦相手やチーム状況によって、システムも、選手の顔ぶれも変えながら戦ってきた。

 世界レベルであるオーストラリアが相手だからこそ、相手の弱点を突くような、したたかなゲーム運びをしなければならない。その点で8月31日の決戦は、これまでのチーム作りのひとつの集大成――日本代表の現在地を知るのにふさわしいゲームになる。

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