豪州戦を「ロンドン&リオ世代」で
勝たなければロシアW杯も勝てない

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 ただし、これまで負けるイメージも湧かなかった。

 1敗を喫したのは、岡田武史体制だった2009年6月のアウェーゲーム(1-2)だった。この試合は、両チームともすでに出場権を獲得したあとに行なわれた消化試合で、日本はMF中村俊輔(当時セルティック→エスパニョール)、MF遠藤保仁(ガンバ大阪)、MF長谷部誠(当時ヴォルフスブルク)ら主力選手を温存して戦っている。

 その前の2009年2月のホームゲームは0-0だったが、岡田ジャパンが圧倒的に押し込んでいたし、いずれも1-1のドローに終わったザッケローニ体制の2012年6月、2013年6月の対戦でもゲームの主導権を握っていたのは日本だった。

 様相が一変したのは、昨年10月のアウェーゲーム(1-1)だ。

 2013年10月のアンジェ・ポステコグルー監督の就任を機に、高さとパワーに頼ったスタイルからパスをつないで崩すスタイルへと変貌を遂げたオーストラリアに、日本はボールを支配されて押し込まれることになる。

 だがそれは、日本の戦略でもあった。オーストラリアとは逆に、今の日本はボール支配率を高めてゲームを進めることに重きを置いていない。あえてオーストラリアにボールを持たせ、日本は自陣で守備ブロックをしっかりと組み、カウンターを繰り出していく。5分には早くも狙いどおりの速攻からFW原口元気(ヘルタ・ベルリン)が先制ゴール。後半にPKを奪われなければ、あるいは2度あったカウンターのチャンスのどちらかを仕留めていれば、勝ち点3が獲得できた。

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