「国内組」福西と「海外組」ヒデの衝突によって、日本代表が得たもの (4ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

「自分の特徴は、相手(周囲の選手)に合わせられること。それに、代表に俺の個性はいらないって思っていた。俺よりも、ヒデをはじめ、シュンスケやシンジのほうがうまい。彼らのようにうまけりゃ、自分を出したかもしれないけど、俺は彼らのレベルじゃなかった。代表は自制してプレーする場所だったんですよ。

 たぶん、自分が好き勝手にプレーしていたら、チームは成り立たなかっただろうし、そもそも試合に出られていなかっただろうね。ジーコが(自分を)評価してくれたのは、自制したプレーだと思うんで。だから、代表ではすごくストレスがたまった。それを抱えて磐田に帰っていたので、クラブではめちゃくちゃ自由にやっていた。それで、監督やコーチにはよく怒られましたよ。『おまえ、代表でのプレーと全然違うやろ』って(笑)」

 絶対に負けられないバーレーン戦。3バックに戻したが、福西は後ろに比重を置いて、ほとんど攻撃参加しなかった。まさしく自制し、チームは1-0で辛くも勝利を収めた。

「点が入ったのが後半26分だった。俺ら後ろの選手は、あのオウンゴールがすごくうれしかった。相手のカウンターとかに、かなり神経を使って守っていたからね。

 バーレーンに勝てたのは、イラン戦の敗戦があったからだと思う。イラン戦では4バックで思うような戦いができず、結果が出なかったことで、次のバーレーン戦は3バックでいくことになって、(気持ちも)割り切って戦うことができたからね。

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