シアトルの川澄奈穂美に聞く、ホンモノの「縦に速いサッカー」とは? (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

「アメリカ人って、もっと大味なプレーをするのかと思っていたので、一緒にプレーしたときはうまい!と思いました(笑)。監督のローラは戦術的だし、日本人の自分でも生き残れるスタイルでした。ローラはすごく日本人をリスペクトしてくれるし、当初から細かい指示はなく、自分のプレーをすれば、それが評価につながるという感じでした」

 昨シーズンは5位に終わったレインが巻き返しを狙う今シーズン、リーグ中盤戦に差し掛かった今、粘り強い戦いを見せている。現在、第18節を終えて7勝5敗6分の4位。十分に頂点を狙える位置につけているが、上位下位ともに勝ち点差が詰まっているため、連勝や連敗があれば順位は乱高下する。一時も気を抜くことができないこの状況を川澄は心から楽しんでいる。

「毎試合が決勝戦みたい! ひとつ落とせばプレーオフ圏外になるし、モノにできれば順位は上がる。リーグ戦で毎回こういう緊張感の中で試合ができるのは刺激になっています」

 ホームとアウェーでゲームの雰囲気が全く異なるのもアメリカのエンターテインメント性なのかもしれない。どれだけ分析しようとも計算が立たない、キックオフしてみなければわからない――それも面白いという。順位だけでは試合展開が測れないのもNWSLの特長のひとつ。たとえ何点、差が開いていようとも、数分間で逆転するというケースはザラにあるのだから、観客も最後まで目を離せない。

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る