戦う姿勢が見えないU-18日本代表。U-20W杯の連続出場が危うい (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

 しかも、日本選手の倍はあろうかというほど、選手の体に厚みがあるチリを相手に、スコア以上の内容で圧倒された初戦を経て、迎えた第2戦。フィジカル的には互角以上に戦えるはずの静岡ユースを相手にしてもなお、戦う姿勢に火がつくことはなかった。

 それどころか、サッカー王国・静岡のプライドから「日本代表とはいえ、同年代の相手には負けられない」という静岡ユースの気迫が上回っているようにさえ見えた。

 影山監督は「そこに、選手を持っていけなかったのは自分の責任」だと付け加えたうえで、こう語っている。

「今日(静岡ユース戦)の相手は、自分たち自身。この大会は(勝敗を争うだけでなく)、代表に入りたい、勝ちたい、点を取りたいという者を選考する場でもあるが、そういう渇望を出した選手もいれば、出していない選手もいる。戦術的にやるべきことはたくさんあるが、(それ以前に)ここでやらなきゃという気持ち(が大切)。勝ちたい、点を取りたいという気持ちを持っている選手だけでチームを作っていきたい」

 結果的に、最終戦でようやく目を覚ました選手たちは、体格で日本を上回るチェコを下すことができた。これはこれでひとつの成果ではある。

 だが、これが今後彼らが出場するであろうU-20W杯、あるいは東京五輪のグループリーグなら、2敗した時点でゲームオーバー。目を覚ますチャンスが2度もありながら、みすみす逃し、3度目でようやく火がついたのでは、遅きに失する可能性は十分にあるのだ。

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