戦う姿勢が見えないU-18日本代表。U-20W杯の連続出場が危うい (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

 U-18日本代表を率いる影山雅永監督が、「チームとしての活動はこれが3回目で、今回は半分くらいが(初めて招集された)新しい選手」と話すように、本格的なチームの立ち上げから半年余りのこの時期、チーム作りはまだまだ始まったばかりである。

 J2のファジアーノ岡山を率いた経験も持つ指揮官は、「チームとして(どう戦うか)というより、選手同士がお互いを知り、そのなかでハーモニーが少しずつ醸成されていけば、という状態」だと、現状を語る。

 確かに、選手個々がそれなりに優れた技術を持っていることは、ボールを持ったときのプレーからもわかる。だが、それらの一つひとつがすべてぶつ切り。ボールを持った選手はそれほど狙いが感じられないパスを出せるところに出し、パスを受けた選手も(ボールを)受けてから次にパスを出せるところを探すといったことの繰り返しでは、シュートチャンスを作るどころか、なかなか攻撃を組み立てることができないのも当然だった。

 とはいえ、本当に気になったのは、もっともっと基本的な部分。ルーズボールの奪い合いで負けないとか、しっかり体を寄せて簡単にかわされないとか、サッカーのベースとなるべき「戦う」という要素が不足していたことである。

 影山監督も、最初のチリ戦を迎えるにあたり、「1試合目で世界基準のプレー強度に慣れて、2試合目から(いつもどおりのプレーが)できました、ではダメなんだ」と選手に話し、初戦からタフさや力強さを求めていたようだが、それが形となって表れることは少なかった。

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