なでしこ、オーストラリア戦の教訓「パスは止めず、トトンと動かす」 (4ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

「ブラジル戦では、2つ目のプレーでボールを奪われたんです。だから(オーストラリア戦では)ダイレクトでのパス出しやシュートを意識しようと。ミナ(田中)からボールが流れてきたとき、日本だったら2タッチ目でシュートをしたと思います。でも、ここはダイレクトに行かないと今後も勝負できないぞって」(籾木)

 そのシュートはDFに当たってゴールとなるのだが、2タッチ目に入っていたら、完全にクリアされていただろう。試合の中で少しずつ対応を変えながら着実にゴールに結びつけている籾木に「体は小さいが、テクニックもあり、戦術理解(能力)も高い」と指揮官も高評価だ。

 大量失点の流れの中でも、それだけで終わらせない、したたかさが今のなでしこたちには必要だ。"経験"とは、ただキャップを重ねるだけでは積み上げることができない。試合前、試合後にできることは最大限に力を尽くす。試合中に修正していくチャレンジをする。そこに必ず"経験"が生まれる。アメリカとの最終戦でどのような"経験"の積み上げ方をするのか。最後の一戦が重要となることは間違いない。

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