今野泰幸が本音で語るハリルJ。「自分はピンチヒッターみたいなもの」 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「自分が合流したときは、最終予選を戦ってきて、だいぶチームが固まってきていた。その中にポンと入ったので、自分の居場所がないような、よそ者みたいな感じだった。しかも、チーム状況からか、すごく悲壮感があって、緊張感もすごかった」

 その悲壮感は、かつての代表でも味わったことがあったという。

「ザックさん(ザッケローニ監督)のとき、W杯3次予選(2012年2月)でウズベキスタンにホームで敗れた(0-1)ことがあったんですよ。これは『まずい』と、最終予選前にキャンプをしたんですけど、そのときも悲壮感がすごかった。

 でも、あのときは集中してトレーニングをして、コンディションを整えて最高の状態で最終予選に臨むことができた。それで最初の3試合で勝ち点7が取れた。それと比べると、今回はUAE戦までに時間がなかったし、自分はチームとしての戦い方、方向性がつかみ切れていなかったので、かなり心配でしたね」

 UAE戦に向けて、チームは従来の4-2-3-1から4-3-3にシステムを変更。ハリルホジッチ監督は、今野をこのシステムのキーマンと位置づけてインサイドハーフに起用した。ガンバと同じシステムゆえ、今野もやりやすかったのではないかと思われたが、ハリルホジッチ監督のやり方はガンバとは「まるで違っていた」と言う。

「ガンバのやり方とはかなり違いましたね。練習では狭いコートで、両サイドハーフが激しくプレッシャーにいくし、とにかく(ボールを奪ったら)早く前に出すことを求められました。攻撃ではサイドに蹴って、前線の両サイドに配置された原口(元気)と久保(裕也)が(相手と)1対1になって、そこから始まるという感じだった。

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