スペインの知将がイラク戦に直言。
「日本は主導権を捨てたのである」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Amin M Jamali/Getty Images

「日本は4-2-3-1で試合をスタートしている。テストマッチのシリア戦は4-3-3だったが、こちらを選択せざるを得なかったということか。やはり、長谷部不在の影響があるだろう。

 序盤、2列目の本田(圭佑)、久保(裕也)、そしてトップ下の原口(元気)が連係。主導権を握り、相手に自由なプレーを許さない。トップの大迫(勇也)とボランチの遠藤(航)、井手口(陽介)が縦に軸を通し、イラクを自陣に入れなかった。

 右サイドを中心にコンビネーションが生まれる。本田が時間を作って、酒井(宏樹)がスペースに抜け出し、パスを受けるとゴールラインからニアポストに入った大迫のシュートをアシスト。さらに右サイドでボールを回してから大迫にくさびが入り、反転からボールがこぼれるも、エリア内で原口がシュートを放ち、これが右CKとなる。一連の攻撃は目を見張るものがあった」

 そして7分、そこで得た右CKを本田が左足でインスイングのボールを蹴り、ニアポストで大迫が沈める。

「大迫はいち早く落下点を予測し、ファーポストにヘディングを沈める、すばらしいゴールだった。日本は悪くないスタートを切ったと言える。イラクにプレーの質の高さを見せつけた」

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