心許ないハリルホジッチ采配。
イラク戦で「悪い予感」がさらに膨らんだ

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Reuters/AFLO

「何が起きたのかよく分からない」とは、インタビューで失点シーンを問われたハリルホジッチの言葉だが、メンバー交代のミスが呼び水になっていたとは認識していない様子だった。追加点を狙いにいかず、1点を守ろうとする守備的精神が先に立ち、ピッチの状況を見落とした罰が、同点ゴールという形になって表れた。僕にはそう見える。

 次戦のオーストラリア戦(8月31日)は、ホーム戦ながら、これまでの対戦を振り返れば、勝利、敗北より、引き分けが最も順当な結果に思える。少なくとも、前回、メルボルンで対戦(1-1)した昨年10月より、日本の力は落ちている。昇り調子にはない。この試合で、"上がり馬"と目された唯一の期待である乾を生かすことをできなかった監督も、頼りなげに映る。

「王手をかけた日本!」「次戦に勝てば6大会連続出場だ!」と、明るい声で伝える報道を耳にすると、悪い予感はいっそう膨らむのである。

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