本田圭佑の「インサイドハーフ起用」は
存在価値を示す絶好のチャンス

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 アンカーを務めるのは、果たして誰か。山口は間に合うのか、あるいは、MF井手口陽介(ガンバ大阪)かMF遠藤航(浦和レッズ)が起用されるか。インサイドハーフには本田、今野、MF倉田秋(ガンバ大阪)のうちのふたりが起用されることになるだろう。

 そのうえで、どう戦うのか。

 気温35度を超える猛暑のなかで、ハイプレスをかけるのは無理がある。FW原口元気(ヘルタ・ベルリン)は「チームとしてブロックを築く位置は3つある」と明かしたが、イラク戦は中間か、低い位置にブロックを構えるのではないか。

 また、本田を起用するからといって、ザックジャパン時代のように、徹底的にボールを保持して相手を崩そうとするのも得策ではない。猛暑による疲労でプレー精度を落とせば、パスワークが相手の網に引っかかる確率が増す。ましてや、ピッチ状態は悪いのだ。パスを引っかけてカウンターを浴びる機会が増えれば、体力は一層消耗してしまう。

 思い出すのは、ザックジャパン時代の2012年11月、オマーン戦だ。

 気温35度を超す猛暑のマスカット。15時30分にキックオフされたゲームで日本は20分に先制したものの、後半に入って運動量の落ちた日本は77分に追いつかれ、さらにオマーンに主導権を握られる。

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