本田圭佑の「インサイドハーフ起用」は存在価値を示す絶好のチャンス (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 そこでハリルホジッチ監督は、見せ場の作れなかったFW久保裕也(ゲント)に代えて、本田を後半の頭から右ウイングとして投入。さらに、63分にFW浅野拓磨(シュツットガルト)を投入してからは、本田を右インサイドハーフでプレーさせた。

 本田がインサイドハーフでプレーするのは、ハリルジャパンに限らず、岡田ジャパン時代の2008年に代表初キャップを刻んで以来初めてだったが、この起用がハリルジャパンに新たなオプションをもたらすことになる。

 ピッチの中央付近でボールに触る回数を増やした本田は、テンポよくパスを散らしたかと思えば、ボールをキープして時間を生み出し、攻撃にリズムを作り出した。同じインサイドハーフでプレーしたMF今野泰幸(ガンバ大阪)は「ボールを受けるのもうまいし、頭を使っていいポジションを取れるので、やっぱりうまいし、頭のいい選手だなと思った」と感嘆の声をもらした。

 ある選手によれば、本田のインサイドハーフでの起用は「(練習では)やってなかった」という。だとすれば、香川のアクシデントに乗じてテストを行ない、想定外のチームの不出来を好転させて、選手起用と戦術の幅を広げることに成功したわけだ。

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