本田圭佑がピッチ外で発信し始めた「自殺、受動喫煙...」その心境は? (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 口を開けば比較的長く話をするし、1を聞けば10返ってくる。自らコミュニケーションを取ることが好きな人間だという印象だ。特に高校時代から名古屋グランパスに所属したころまではそうだった。ざっくばらんに何でも話し、例えば以前に取材したときのことなどについてもよく覚えていて、自ら振り返ったりする、メディアにとって本当にありがたい、愛すべきタイプの男だった。

 メディアと距離を置き始めたのは、2010年の南アフリカW杯で現地入りしたあたりからだろうか。ミックスゾーンでの対応も数日に1回に限るなど、その急な方針変更に面食らったものだ。

 とはいえ、話をすると決めた日は、たっぷり話す。だから本来は話好きの本田が、自らを抑制するかのようにメディアとの接触を制限しているように見えた。それは集中力を高めるためという理由だったのかもしれない。その後、CSKAモスクワからミランへ移籍しても状況は変わらず、むしろその方針を徹底していった。

 メディアとの関係はともかく、もともと自ら発信することには積極的だった。日本代表戦のために帰国、離日する際の奇抜なファッションもそのひとつだろう。子供の存在を明かしたのも空港でのことで、いきなり抱いて登場したときには騒然としたものだ。今回、イタリアから帰国した際にはわざわざ帰国便を公開している。

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