不安の残るシリア戦。あえてハリルJの「よかったこと」を探してみた (5ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 国際Aマッチのカレンダーの都合上、今回の最終予選は昨年9月のスタート以来、2試合1セットで組まれることが多い。日本代表は比較的1試合目の出来が悪く、2戦目に立て直すパターンが多いので、今回も(最終予選ではなかったが)1試合目のシリア戦を教訓に、2試合目のイラク戦ではきっと立て直してくるだろう。

 また、海外組にとっては、すでにシーズンが閉幕して2週間ほどが経過しており、コンディション調整も難しかったはず。シリア戦をひとつこなしたことで、コンディションも上がってくるはずだ。次のイラク戦に関してだけ言えば、さほど心配する必要はないのかもしれない。

 だが、最終予選突破の先にある、W杯本大会を見据えた場合はどうか。1試合目の反省を生かし、2試合目では同じ轍(てつ)を踏まない戦いぶりも、言い方を変えれば、同じことを何度も繰り返しているだけのこと。一向に進歩が見られないとも言える。

 笛吹けど踊らず、なのか、そもそも笛の吹き方に問題があるのか。こんな内容の試合を見るのが初めてではないだけに、テストマッチだからと割り切れないもどかしさを感じたのも事実である。

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