シリア戦で露呈した危うい中盤。「今野泰幸頼み」で大丈夫なのか (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 ハリルホジッチが就任当初から重用したのは長谷部だった。当時31歳(現在33歳)のベテランを、不動のスタメンとして守備的MFの軸に据えた。隣で構えるもう1人の守備的MFは流動的だった。ハリルホジッチは様々な選手をそこにあてがった。柴崎岳、遠藤航、永木亮太、大島僚太、柏木陽介......。ようやく山口に辿り着いたかと思いきや、今度は肝心の長谷部がケガをしてしまった。

 結果的に、山口を軸に据えることになるのだが、彼がそれに耐えられる器かと言えば、ノーだ。ハリルホジッチはそこで、長谷部のさらに1歳上をゆく今野泰幸を招集した。そしてその今野が、UAE戦で得点を決めるなど、長谷部の代役として余りある活躍をした。だが、今野のポジションは4-3-3のインサイドハーフ。アンカーの位置に座ったのは山口だった。

 そのUAE戦で活躍した今野もまたケガを負う。するとハリルホジッチは、次戦のタイ戦で、サイドバックの酒井高徳を守備的MFとして起用。布陣を4-2-3-1に戻し、山口とともに「2」でプレーさせた。

 そうした流れの中で迎えたのがこのシリア戦だ。酒井高徳がスタメンを外れ、そこに今野が復帰した。布陣も4-2-3-1から再び4-3-3へ。そのアンカーには山口が座った。

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