ハリルの打つ手が次々と的中。シリア戦でも「新オプション」出るか? (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 今年3月の2連戦では、さらに異なる戦い方が披露された。

 3月24日のUAEとのアウェーゲームでは、2年ぶりに代表に復帰させたMF今野泰幸(ガンバ大阪)を先発起用しただけでなく、逆三角形となるガンバ大阪の中盤の形をそのまま日本代表でも採用。その今野とDF長友佑都(インテル)が相手のキーマンであるMFオマル・アブドゥルラフマンを封じ込め、2-0と完勝を飾った。

 3月28日のタイ戦では、サイドバックのDF酒井高徳(ハンブルガーSV)をボランチとして起用した。ハンブルガーSVではボランチを務める機会があるが、日本代表で酒井高がボランチに入るのは初めてのことだった。

「UAEとの大一番を制してホームに戻ってくるわけですから、タイ戦では気が緩む可能性があった。そうした状況でヴァイッドがもっとも避けたかったのが、カウンターからの失点でしょう。そこで、中盤は高徳と山口(蛍/セレッソ大阪)のふたりでしっかりと締めて、前線の3人を最大限に活かす――そんなメッセージが感じられました」

 そう語るのは、日本サッカー協会技術委員長、ナショナルチームダイレクターを歴任した霜田正浩氏だ。実際、日本はタイにゴールを許さず、効率よく得点を重ねて4-0と完勝。酒井高は攻撃を組み立てられたわけではなかったが、そもそもゲームメイクを託されてボランチ起用されたわけではない。

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