なでしこエースも大変身。長野パルセイロ「肉体改造」の驚くべき効果 (4ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

泊志穂が取り組むリバーススクワット。膝、足首の角度やお尻の位置など動作チェックポイントは多い泊志穂が取り組むリバーススクワット。膝、足首の角度やお尻の位置など動作チェックポイントは多い「何曜日に、週に何回ジムに来いというようなことは、僕は一切言いません。試合がいつで、何日前に筋トレをしようというのも含めて、選手たちは自分自身でルーティンを作っています。やらされてやることでは意味がないんです」(樋口コーチ)

 当然、その意識が浸透するには数年かかる覚悟をもって臨んでいた。ところが就任直後から、池ヶ谷を筆頭に筋トレに悩める選手たちが集結し、その体が変化を遂げていくことで、自然に他の選手たちもジムに集まるようになっていった。

 DF裏への鋭い飛び出しを武器とする泊志穂は、ケガに泣かされてきた。もともと関節ねずみ(関節内遊離体)を抱えており、2シーズン前の皇后杯では、両腿の肉離れにも見舞われていた。昨シーズンが始まると、チームメイトが樋口コーチとジムでウエイトトレーニングに励む姿を目にするようになったが、馴染みのない機械を使用してのトレーニングに抵抗感もあった。

「練習の上に疲労が重なるのが怖かったというのもありました。でも、シュートのときにこけてしまうとか、小さいから飛ばされるよねって言われるのがすごくイヤで、樋口さんに相談したのがきっかけでした」
最初は、日頃使わない筋肉を鍛えることで相当のダメージがあったという。しかし、慣れてきた今シーズンは週2回へウエイトトレーニングを増やした。

「昨シーズンは、一度も練習を休まなくて済みました。疲労からくる筋肉系の痛みはあっても、それで練習を離脱することがなくなったんです。身体ができてきているというか、昨シーズンは本当に身体のキレがよかったと思います」

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