U-20日本代表、ベネズエラに苦杯も、東京五輪への希望は膨らんだ (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 初戦の前半こそ、バタバタした様子をうかがわせたが、1試合ごと、いや、1試合のなかでも時間ごとに、落ち着いたプレーを見せるようになっていった。

 例えば、ベネズエラ戦の49分のシーン。MFジェフェルソン・ソテルドが左サイドから中央へ横ばいのドリブルをし、タイミングをうかがいながらFWロナルド・ペーニャへスルーパスを狙ったが、これを冨安がペーニャの前で鮮やかにカットしている。

 キレのあるドリブルの進入を見張りつつ、横から縦への方向変化にも瞬時に反応。しかも、後追いで最終的にどうにか止めたのではなく、ラストパスを完璧に寸断したのである。

 冨安本人は、「自分は自信を持つより、課題を見つけて取り組んでいくタイプ」であり、「(今大会でも)また課題が出たので、それに取り組むだけ」と、ここで得た自信や手応えを口にはしない。

 それでも、今大会で得た経験については「Jリーグとは、サッカーの種類が違うというか......」と言い、こんな言葉で表現している。

「(0-2で敗れた)ウルグアイ戦でも、日本はしっかり組織的にプレッシャーをかけているつもりでも、相手はビクともしないで普通にプレーしていた。逆に自分たちは、Jリーグでもプレッシャーをかけてくるチームはあるが、それとは違うプレッシャー(のかけられ方)だったというか......、サッカーが違うのかなと感じた」

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