素直すぎたU-20日本。
「ウルグアイのナイフ」に、してやられる

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 ただし、ウルグアイが多少の余裕を持って対応していたのも確かだろう。日本をあえて自陣に引き込み、カウンターを狙うしたたかさがあった。DF中山雄太(柏レイソル)が悔やむ。

「ウルグアイには『自分たちに持たせている』という感じがあって、そこで一発があるのが相手の特長。それだけが本当に怖かったので、トミ(冨安健洋/アビスパ福岡)とコミュニケーションを取っていたんですけど、結局、失点してしまった」

 日本に攻め込ませながら、カウンターという鋭利なナイフをちらつかせていたのだ。加えて、90分間全力でプレーする必要などなく、いつ温存して、いつ出力するか、ウルグアイの選手たちは理解していた。

 まるで大人と同じサッカーをするウルグアイと比べれば、日本の攻撃はあまりに正攻法すぎた。久保と堂安が絡んだショートパスによるコンビネーションからの崩しが多く、リズムやテンポ、展開に変化や緩急があまりなかった。

「自分と(久保)タケだけの関係になっていたので、そこにもうひとり絡んでくれたら、というシーンもあった。そこはコミュニケーションを取っていきたいと思います」と堂安が言えば、攻撃を組み立てた市丸も「相手は中を締めていたんですけど、それでも中を通すためにどうしたらいいか、工夫が必要だったと思います。自分だけじゃなくて、味方を使いながら、サイドを使いながら、ワンタッチでの縦パスを増やせれば、試合展開はもっと変わっていたかなって」と反省を口にした。

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