U-20W杯に思う。今こそ日本サッカーは「育成指導者」の育成が必要 (5ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 また、最近では選手の「爆買い」で話題となった中国サッカー界も同じような動きを見せている。今年2月、フランスサッカー連盟およびプロリーグ機構(LFP)が北京に事務所を設立し、中国サッカー協会との業務提携を発表。フランス側のメリットは、国内リーグや代表チームのイメージアップ、放送権販売先やスポンサー探しにあり、一方の中国側のメリットは、育成システムをはじめとする技術面の輸入なのだという。

 中国がアメリカのように、指導者育成のカリキュラムやメソッドを取り入れるのかどうかはまだ明らかになっていないが、そうだとしたら日本サッカー界にとっては脅威だと言える。

「育成の成否=年代別代表の成績」という考え方だけに捉われず、いかに優秀な若手をトップレベルの選手に育て上げるか、という視点を忘れていては、A代表の成功は永遠に叶わないだろう。

 日本サッカーが世界のトップレベルに近づくためにも、ハイレベルな育成専門指導者の養成と、彼らのステイタス確立を図る必要がある。そのための組織と環境作りは、U-20W杯で結果を残すことより重要だと思われる。

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