U-20W杯に思う。今こそ日本サッカーは「育成指導者」の育成が必要 (4ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 かつて日本サッカー界も、現在のフランスの育成システムの基礎を作り上げたクロード・デュソー氏を招き、若年層からエリートを養成すべくJFAアカデミーを作った。しかし残念ながら、当時は選手の育成だけにスポットを当ててしまい、肝心の育成指導者のプログラムを取り入れるには至らなかった。

 当時、もし日本がフランスから優秀なフォルマトゥールを招へいするなどして、指導者育成のメソッドを取り入れていたら、現在の深刻な人材(選手)不足を招くことはなかったかもしれない。

 スポーツ大国アメリカでは、「2022年までに世界のトップリーグ入りを果たす」というメジャーリーグサッカー(MLS)が掲げた目標を達成すべく、2013年にフランスサッカー連盟と提携。2年間にわたってフランスがMLS全クラブのアカデミー責任者に対する特別カリキュラムを作成し、指導に当たった。要するに、アメリカサッカー界は、選手と指導者の育成は車の両輪であることを理解していたのである。

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