スペインの知将が分析するUAE戦。「日本の守備は破綻しかけていた」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Fujita Masato

 だが、長谷部(誠)の戦線離脱で、戦術変更を余儀なくされたのだろう。(ヴァイッド)ハリルホジッチ監督は4-2-3-1を捨て、4-1-4-1という布陣を選択。山口(蛍)をアンカーに置き、その前に今野(泰幸)、香川(真司)を並べている。今野は前のスペースに入っていく回数が多く、攻撃意識が高いのは明らかだった。

 試合は日本優勢で始まる。UAEは中盤でじっくりパスをつなぎながら攻める形で、日本はしばしばそれを奪い、速く、効率的に攻めた。前半5分に大迫(勇也)が決定機を得るが、しっかり当たらず。大迫はこの後もミドルシュートを狙うが、力なく外れる。

 日本の戦いは盤石に見えたかもしれないが、実際はそうでもない。中盤でスペースを明け渡し、アリ・マブフートにドリブルを許すなど、世界レベルの大会では高いツケを払いそうなミスも犯している」

 一方、前半14分に久保裕也が挙げた得点に関しては、「文句のつけようがない」と、エチャリも手放しで褒めている。

「山口、香川のパス交換でリズムを作ってから、右サイドに展開。高い位置をとっていた酒井(宏樹)が持ち上がり、深さと幅を作りながら、ディフェンスの背中にパスを通した。そこに久保が斜めに走り、ボールをコントロールし、ニアサイドを撃ち抜いている。短いパスと人の動きによるコンビネーションで奪ったゴール。後半の2点目と種類が違い、それはチームが力をつけている証明と言える」

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